2015年7月21日(火)
「伐採されたどんぐりの枝」
一か月に一度の絵の教室のモチーフとして先生が持ってきてくれた枝、
何のことはない捨てられた枝であるのだが、
このえだ一つにも物語は既に生れていた。
画伯が夫人を亡くしたのは10年ほど前になるようですが、
そのころからというよりはそれ以前から伸び続けていた裏山の木々が
ここにきて住まいを押しつぶすほどまでに成長して
どうにもこうにも、いよいよ伐採という手段を取らざるを得なくなったようで、
その話を聞いた物好きな万屋社長は画伯と共に、
(裏山の木々を何とかしようじゃないか)と異口同音、
(マイペース)と、呟きながら俄か伐採師になったわけである。
ここで万屋社長を語れば、彼は自宅の庭の木々の手入れを
常にしているので、時には専門の庭師よりもひらめくことがあり
新しい手法を編み出し、自信をつけ、又それを実行してみたくなり・・・・といった具合に
楽しく労働をしているようです。
このたびは自宅ではなく他人の家ですから天狗になってほしくなく
慎重に慎重に仕事をしてほしいと、妻は祈る気持ちだったに違いありません。
素人の二人の老紳士が木こりになって山の整理をしていくと
おもわぬ発見、気づきがあり、これまで無関心にも等しい我が家(画伯の家)の現実が
浮き彫りにされて、関心を持つ事からの責任意識が生まれ
発展への道が開けていくのだ、ということを認識したのでした。
この仕事、(木々の伐採)が何事もなく「結果良し」で導かれますように・・・・・
「どんぐりの枝」の絵を見れば
そこには二人の汗と知恵があった事を思い出すでしょう。